風の谷のナウシカは、宮崎駿監督が1984年に公開したアニメーション映画です。
荒廃した世界で生きる少女ナウシカが、人間と自然の共存を求めて戦う姿を描いた物語。この作品は、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)について、考えさせられるメッセージが込められています。
本記事では、風の谷のナウシカが伝えたいことや、環境問題やSDGsについて題材にした作品としての意義について解説していきましょう。
風の谷のナウシカが伝えたいことは?
この作品では、人間はかつて科学文明によって繁栄しましたが、その代償として世界は「火の七日間」と呼ばれる大災害によって壊滅しました。その後、人間は「腐海」と呼ばれる猛毒を発する植物や巨大な昆虫「蟲」に覆われた地域と隣り合わせで生きています。
人間は腐海や蟲を敵とみなし、それらを駆除するために「巨神兵」と呼ばれる古代兵器を使おうとしますが、それはさらなる破滅を招くことになります。
一方、ナウシカは腐海や蟲に対して敵意を持たず、むしろ理解しようとします。彼女は、腐海や蟲が本来は自然の浄化作用を果たしており、人間の汚染した土地を回復させようとしていることに気づくのです。
風の谷のナウシカは環境問題やSDGsについて題材にした作品?
環境問題とは、人間の活動によって自然環境が損なわれたり、生物の多様性が失われたりすること。SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略で、貧困や飢餓、気候変動などの世界的な課題に対処するために、国連が採択した17の目標です。
この作品では、人間が科学文明によって自然環境を破壊し、その結果として世界が荒廃したことが描かれています。これは現実の世界でも起こり得ることであり、核戦争や大気汚染、水質汚染などの問題が指摘されています。
人間だけでなく自然や動物も尊重されるべき存在であることも訴えているのです。これはSDGsの中でも「生物多様性の保全」や「陸の豊かさも守ろう」などの目標に関係しています。
風の谷のナウシカはストーリーが難しい?意味がわからない?
風の谷のナウシカは、ストーリーや登場人物の心理描写が複雑で難しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、それだけに深みがあります。
原作漫画と映画とでストーリーが異なる部分があり、原作漫画は映画よりも長編で、より詳細な設定や展開が描かれているのです。
映画は原作漫画の一部を切り取って映像化したものであり、そのために一部省略されたり変更されたりしています。例えば、映画ではナウシカが「青い血」を持つことや、「風の谷」が「巨神兵」を隠していることなどは明かされません。
これらの要素は原作漫画では重要な役割を果たします。映画と原作漫画とでストーリーを比較すると、より理解が深まるかもしれません。
映画と原作漫画とで主な違いを挙げてみましょう。
・映画では「巨神兵」は古代文明の遺物として登場しますが、原作漫画では「巨神兵」は現代文明によって造られた兵器であり、その製造方法や目的が詳しく説明されています。
・映画では「腐海」は人間の科学文明によって生まれた猛毒の植物だとされますが、原作漫画では「腐海」は地球自体が生み出した自然現象であり、その正体や起源が明らかにされます。
・映画ではトルメキア皇女クシャナは敵対的なキャラクターとして描かれますが、原作漫画ではナウシカと共闘する場面もあり、彼女の過去や家族関係も描かれます。
・映画ではラストシーンで王蟲たちによってナウシカが蘇ることで物語が終わりますが、原作漫画ではその後もさらに長い旅路が続きます。ナウシカは王蟲たちと心を通わせる能力を得ることで、「風の民」と呼ばれる存在になります。
原作漫画は人間と自然の関係をより深く掘り下げているようですね。ナウシカの成長や世界の運命がどう変わっていくのか、ぜひ読み比べてみてください。
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まとめ
風の谷のナウシカは、人間と自然の関係を問い直す素晴らしい作品です。
環境問題やSDGsに関心が高まる現代においても、この作品は多くの人に影響を与えています。風の谷のナウシカは、ストーリーや登場人物の心理描写が複雑で難しいと感じる人もいるかもしれませんが、それだけに深みがあるということでしょう。
この作品を通して、自分たちの暮らす世界や未来について考えるきっかけになれば幸いです。