映画「コーダあいのうた」は、聴覚障害者の両親と兄を持つ聴者の少女ルビーが、音楽に情熱を持ちながらも、家族との葛藤や自分探しに苦しむ姿を描いた感動作です。本作は、2021年にサンダンス映画祭で観客賞と審査員賞を受賞し、日本でも大ヒットしました。
本作の最後では、ルビーがベルクリー音楽大学に合格し、家族と別れてバスに乗り込むシーンがあります。その際、ルビーは両親と兄に向かって手話で「愛してる」と伝えます。しかし、この手話は通常の「愛してる」とは違うものでした。では、この手話は何を意味するのでしょうか?
「コーダあいのうた」最後の手話の意味を考察!
ルビーがイギリス出身の音楽教師ベルナルドに想いを寄せていることから、彼へのメッセージとしてBSLを使ったのではないかと思われます。ルビーはベルナルドから歌やピアノを教わりながら、次第に彼に恋心を抱くように。しかし、ベルナルドはルビーに対して、教師として冷静な態度を貫きます。ラストシーンのバス停で別れる際にも、ベルナルドはルビーにキスをせず、「君は素晴らしい才能を持っている」と言って励まします。
ベルナルドもまたルビーに、惹かれているのではと考察できます。ベルナルドは自分がイギリス出身であることや、家族と離れて暮らしていることなど、自分のプライベートなことをルビーにだけ打ち明けます。また、自分がBSLを知っていることも。ラストシーンでは、ベルナルドの目は、ルビーを見送るまで離さないことで、彼の想いが伝わってきますね。
「コーダあいのうた」その後どうなるか考察!
ルビーとベルナルドの、その後はどうなるのでしょうか?映画では明確に描かれていませんが、いくつかの可能性を考察してみましょう。
考察1
ルビーとベルナルドは、遠距離になっても音楽を通じて交流を続けていきます。
ベルクリー音楽大学で歌やピアノを学びながら、ベルナルドに自分の成長や日常を伝えたり、ベルナルドもまたルビーのメンターとしてアドバイスや応援して、関係性を紡いでいくのです。
考察2
ルビーはベルクリー音楽大学で新しい友人や恋人と出会い、自分の世界を作っていくことです。ベルナルドもまた、ルビーに幸せになってほしいと願いながら、日常に戻ります。
二人は、時々連絡を取り合ったりもしますが、それ以上の関係に至らないということ。
どちらの可能性もあり得ると思いますが、個人的には前者の方が、いろんな考察ができてワクワクしてきます。二人は互いに音楽に対する情熱や理解を共有していて、お互いをリスペクトし支え合っているからです。二人は、年齢差や立場を乗り越えて恋愛関係になることで、より深い絆や成長が得られると思います。もちろん、二人の関係性はそれぞれで決めるべきですが、私は二人が再会して愛し合う姿を見たいです。
「愛してる」は他にも手話がある?
「愛してる」という言葉は手話でも様々な表現方法があることを紹介します。
ASLでは、「愛してる」という手話は、右手で親指・人差し指・小指を立てて左胸に当てるというものです。これは、「I」「L」「Y」(I Love You)の頭文字を表しています。また、右手で親指・人差し指・中指を立てて相手に向けるという手話も「愛してる」という意味です。これも、「I」「L」「U」(I Love You)を表します。
BSLでは、「愛してる」という手話は、右手で頬に触れてから胸に当てるというものです。これは、「キス」(Kiss)と「心」(Heart)を意味します。また、BSLでは右手で親指・小指・薬指を立てて相手に向けるという手話も「愛してる」という意味です。これは、「I」「L」「Y」(I Love You)を表します。
まとめ
映画「コーダあいのうた」の、最後の手話の意味とその後の展開について考察してみました。
ルビーが家族に見せた手話は、イギリス手話で「愛してる」という意味で、音楽教師ベルナルドへのメッセージとしても使われました。ルビーとベルナルドはその後どうなるかは分かりませんが、私は二人が再会して恋に落ちることを願いたいですね。
「愛してる」という言葉は、手話でも様々な表現方法があることを紹介しました。手話は言葉だけではなく、感情や文化も伝えられる素晴らしいコミュニケーションツールだと思います。
映画「コーダあいのうた」は、手話や音楽を通じて家族や恋人との絆を描いた感動作です。ぜひご覧ください。