ラグビー日本代表に初めて選出された朝鮮学校卒業生の李承信(りすんしん)選手。
彼は在日韓国人として、自分のルーツや歴史に誇りを持ち、本名でプレーすることにこだわっています。
神戸スティーラーズで活躍する彼の国籍や身長、そしてラグビー選手になった経緯や目標について紹介します。
李承信の国籍はどこ?
小学校から高校まで大阪朝鮮学校に通い、朝鮮語や朝鮮文化を学んでいます。高校卒業後は帝京大学に進学しましたが、2年生の時に退学して神戸スティーラーズに加入しました。2022年6月25日にウルグアイ戦で日本代表デビューを果たしましたが、その際も韓国籍のままでした。
彼は日本国籍を取得しなかった理由について、「僕は在日コリアンとして生まれてきたんだから、それを変える必要はないと思っている」と語っています。また、彼は高校時代に韓国代表のスカウトから声がかかったことがあると明かしていますが、「僕は日本で育ったし、日本のラグビーをやりたいと思っていた」と断ったといいます。
李承信選手は、自分のルーツやアイデンティティに誇りを持ち、本名でプレーすることにこだわっていることが強く伝わりましたね。
李承信が本名にこだわる理由は?
李承信選手は、自分の本名でプレーすることに強い思い入れがあります。
それは、自分のコミュニティーやアイデンティティへの敬意と誇りからです。彼は朝鮮学校で育ったことで、自分たちのルーツや歴史を知り、日本社会で生きづらさや差別を感じることもありました。
しかし、それを逆手にとって、ラグビーを通じて自分の存在を示すことを決意したのです。彼は「僕は在日コリアンとして生まれてきたんだから、それを隠す必要はない」と語っています。また、「僕が日本代表としてプレーすることで、在日コリアンの子どもたちや朝鮮学校の子どもたちに夢や希望を与えられたらうれしい」とも話しています。
李承信がラグビー日本代表になれた理由は?
彼は4歳からラグビーを始めましたが、中学まではサッカーもしていました。その経験から、ハンドリングやフットワークに優れたプレーヤーになりました。高校時代は大阪朝鮮高校の主将として全国大会に出場し、高校日本代表にも選ばれています。大学時代は強豪の帝京大学に進みましたが、海外挑戦を目指して2年生で退学しました。
その計画が新型ウイルスで頓挫した後も諦めずに、神戸スティーラーズに加入しました。そこで、スタンドオフやセンターとして先発の座をつかみ、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチの目に留まったのです。ジョセフヘッドコーチは、彼のハングリーさや意欲を評価し、日本代表に招集しました。
日本代表に選ばれた時の感想や目標については、以下のように語っています。
「名誉なことに日本のラグビー選手として、僕は日本代表に選ばれた。日本で育ち、日本のラグビーに情熱を持っている。だからこそ、もっと高みを目指したい。2023年のワールドカップでプレーしたいし、そこで素晴らしいパフォーマンスを披露する。それが僕の夢です。」
日本代表としてプレーすることで得た経験や学びについては、以下のように述べています。「日本代表でプレーすることは、僕にとって自分のスキルを向上させる機会だと感じている。世界の一流選手やコーチと共に練習や試合が出来て、それが刺激になっています。特にキックやディフェンスなどの基本技術や戦略面で色々なことを学んだ。仲間たちとの強い絆やチームワークについても実感したし、メンバーとして自分の役割を果たすだけでなく、他の選手のサポートや励ましも大切なことだと考えています。僕は日本代表でプレーすることで、ラグビーの面白さを再認識した。」
李承信の身長は?
ラグビー選手としては小柄な方ですが、その分スピードや敏捷性に優れています。また、キックも飛距離と正確性を兼ね備えています。彼は自分の身長にコンプレックスを持っていません。
むしろ、「僕は小さいからこそできることがある」と自信を持っています。
まとめ
李承信選手は、在日韓国人として本名でプレーするラグビー日本代表です。朝鮮学校で育ち、自分のルーツや歴史に誇りを持っています。
彼はラグビーを通じて自分の存在を示すとともに、同じコミュニティーやアイデンティティを持つ人たちに夢や希望を与えようと邁進しています。才能と努力、そしてチャレンジ精神でラグビー選手として成長し、日本代表に選出されました。
身長が小さいことを気にせず、自分の強みを生かしてプレーしています。2023年9月に開幕するラグビーワールドカップ・パリ大会に出場予定で、日本代表のエースとして活躍が期待されています。