「風の谷のナウシカ」は、宮崎駿監督の代表作のひとつであり、1984年に公開されたアニメーション作品です。
腐海と呼ばれる、有毒な森に覆われた荒廃した世界で、風の谷の王女ナウシカが人と自然との共生を求めて戦うストーリーとなっています。
この作品には、1000年前に世界を破滅させたと言われる巨大な人型人工生命体「巨神兵」が現れます。巨神兵はどのようにして作られたのか?なぜ腐ってしまったのか?ナウシカとどんな関係を築いたのか?
この記事では、巨神兵についていろんな観点から解説や考察をしていきます。
「風の谷のナウシカ」巨神兵の正体とは何者?
その正体は、旧世界の人類が多数創造した人工神であり、あらゆる争いに介入して「調停と裁定の神」としての役割を担っていました。
「調停」とは、対立する両者の間に入って話し合いを促し、合意に至ることを目指すこと。巨神兵は念話で両者に呼びかけ、自分の裁定に従うように求めていました。
「裁定」とは、対立する両者に対して自分が正しいと判断した結論や処置を下すこと。巨神兵は、自分の裁定に従わない者や、脅威とみなした者をプロトンビームや毒の光などで容赦なく滅ぼしていました。
映画では、工房都市ペジテ市の地下で発掘された巨神兵の胎児が、トルメキア王国に奪われ、風の谷に墜落したことで未熟な状態で覚醒します。
その後、王蟲の大群に対抗するためにプロトンビームを発射するも、自身も腐敗して絶命します。
原作では、ペジテ市から土鬼人に奪われた巨神兵がシュワの墓所で復活し、ナウシカを母親と認識してオーマと名付けられます。ナウシカと共に、墓所を封印するために飛行し、途中で知性や力を覚醒させますが、肉体は徐々に腐敗していきます。
「風の谷のナウシカ」巨神兵はなぜ腐ったのか?
秘石と黒い箱は、巨神兵を成長させるための胎盤であり、秘石から出る光線が巨神兵に知性や力を与える役割を果たしていました。しかし、火の七日間を恐れて秘石を外したり、少女が持っていた秘石が砕けてしまったりしたことで、巨神兵は不完全な肉体で目覚めてしまいます。
その結果、巨神兵が持つ強力なエネルギーと力に抗えず、ビームの発射や長距離の飛行といった力を使うことで、徐々に腐敗していきました。
体内から漏れ出した生き物にとって有毒な「光の毒」によって、少女やキツネリス(テト)の肉体も弱ってしまいます。
「風の谷のナウシカ」巨神兵と天空の城ラピュタのロボット兵が似てる!?
「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」は、ともに宮崎駿監督の作品であり、旧世界の遺産として巨大な人型兵器が登場する点で共通しています。
しかし、その設定やデザインには大きな違いがあります。
また、巨神兵は自我を持ち、念話で会話することができます。
その姿は金属製で丸みを帯びた頭部や手足を持ち、目は青く発光します。ロボット兵は命令に従うだけでなく、自然や動物に対して、優しさや感情を示すことがあるのです。
以上から、「風の谷のナウシカ」の巨神兵と、「天空の城ラピュタ」のロボット兵は、似ているようで、実は全く異なる存在であるということが言えますね。
ただし、両作品において、旧世界の技術がもたらす危険性や美しさが描かれている点では、共通していると言えるでしょう。
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まとめ
「風の谷のナウシカ」に登場する巨神兵は、千年前に世界を破滅させた最終戦争「火の七日間」で、使用されたと伝えられる巨大な人型人工生命体です。
その正体は、旧世界の人類が多数創造した人工の神であり、あらゆる争いに介入して「調停と裁定の神」としての役割を担っていました。
しかし、正しい方法でなく復活させられたことで未完成な肉体になり、徐々に腐敗してしまうのです。
ナウシカは巨神兵をオーマと名付けて母親として接しましたが、その運命は悲劇的なものでした。「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」では、旧世界の遺産として巨大な人型兵器が登場しますが、その設定やデザインには大きな違いがあることが分かりましたね。
興味のある方は、2作品を見比べてみるのもいいのではないでしょうか。