映画余命10年は、原作者の小坂さんの実体験とフィクションが混ざったようなストーリーになっています。
茉莉が動画を見ては削除し・・を繰り返しているシーンがあって本当に切なく感じます。でもなぜわざわざビデオを削除する必要があったのでしょうか?
この映画作品は、原作とあえて少し変わっている部分がいくつかあります。でもそれは原作者の小坂さんの生きた証を刻むため、小坂さんへの敬意をこめた作品にしたかったからだそうです。
今回の記事では、
- 「余命10年」茉莉がビデオを削除した理由を考察!
- 「余命10年」映画の見どころは?
- 「余命10年」原作の作者が伝えたいこととは?
などを紹介していきますので、余命10年の伝えたかった思いについて一緒に考えていきましょう。
「余命10年」茉莉がビデオを削除した理由を考察!
映画余命10年の主人公茉莉がビデオを次々に削除していくシーンがあります。なぜこの時茉莉はビデオを削除していったのか?理由は語られていませんが、考察してみました。
そもそも削除していく動画なのですが、なぜか新しい動画から消していくのです。見ては消して見ては消してを繰り返しているのですが、新しい記録はほとんどが和人との思い出なのです。
見たいけど見るとつらくなるから
和人との思いでを見たいけど、見れば見るほどつらくなってしまうので削除したのではないかという考えです。
見れば見るほど未練も残ってしまい、自分の元気な様子をみてこのころに戻りたい、会いたいなど欲が出てきてしまうのも嫌だったと考えられます。
そして動画あるとどうしても手にしてしまうから、削除して見れなくしてしまおうとしたのではないでしょうか。
終わりを悟って感じていたから
実際この動画をみた後のシーンで急変してしまいます。
だから茉莉は終わりを自分で悟っていたから削除したという考えです。
一つ一つ見ながら削除していっている姿に、この思い出を自分の中に刻んでいるように感じます。自身で振り返りを行っている、最後だから和人との思いでを見て、一つずつ収めているという様子がうかがえます。
残された人のために
自分亡き後にこの動画を見て残された家族、友人、そして和人が泣かないように、寂しくならないように自分で処理していこうと決めて消していったという考えです。
自分の記憶の中にはとどめたいから一つずつ見ながら削除し、残された人のことを考えて動画を無くそうとしたのではないかと推測もできます。
「余命10年」映画の見どころは?
映画「余命10年」の見どころは、正直すべてです。すべてが繋がっていくのですべてが見どころ。
・・と言いたいところですが、その中でもやはり大事な部分は、なんの変哲もない毎日が愛おしい大事な毎日で、大切な人と過ごす時間は普通ではないという点です。
見どころというなら、季節の流れと時間の流れと和人と茉莉の時間の流れを感じながら見るのがポイントになってきます。
さらに劇伴音楽はこの作品のために書き下ろした歌になっていて、音でも茉莉と和人の人生の流れを感じられるように作られています。
「余命10年」原作の作者が伝えたいこととは?
「余命10年」の原作の作者は小坂流加さんです。2017年に病気で逝去されています。
そう、すべてがということではないですが、自身の余命10年を書いているのです。
そのため小坂さんはこの作品を通して伝えたいことは必ずあったはずです。
まず小坂さんはこの本で問いかけをしています。
要するに、明日が来るのは当たり前ではないということです。それをどれだけ実感しながら毎日を過ごせてますか?という問いですね。
他にも作品の中で小坂さんは伝えています。
- 「ありがとうと、ごめんねと、好きです。それがわたしの後悔。言えずにいた人たちに伝えたい」
- 「命に執着を持っちゃダメよ。死ぬのが怖くなったら、わたしはもう笑えなくなるんだから」
- 「死ぬことだけが安息だったわたしをあなたが生きさせてくれた。だからわたしは死ぬことが怖くなったの。死んでしまうことが怖い。だからこそわたしは、自分が今生きていることを実感できたんだよ」
今回、映画に携わった人たちは、ただこの小説を実写化するのではなくて、小坂さんの生きた証として作りたいし、フィクションとドキュメンタリーのはざまで挑戦したいという思いで作ったそうです。
だから原作とは少し話が違っている個所もあり、それは小坂さんの人生により近づけたからだそうです。だからこそこのリアリティーが表現されているのですね。
「余命10年」に関しては以下も検索されています、ぜひ参考にしてください!
まとめ
「余命10年」茉莉がビデオを削除した理由はいくつか考察がありますが、おそらく、茉莉は終わりを悟っていて、一つ一つの記録を見ながら胸に刻み、刻んだら消して・・・という作業をしていたのではないかと思います。実際にこの数分後に、様態が急変してしまいますからね。
「余命10年」の映画の原作者の小坂さんの人により近づけるために、監督や脚本家、演出家が原作から作り変えています。
特に四季をしっかり映し出し、時間の経過をリアルに感じさせているところにこだわりがあるようです。
本当に切ない物語に感情移入をかなりさせられるのはそういうこだわりの面が伝わっているからなのですね。